狩りを終えて無事村に帰り、一息つく狩人は何を想うのか。 ここはそんな机の上・・・。
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あなたは、砦の大扉をごく近くで見られたことはあるだろうか。
ラオシャンロンやシェンガオレンの進攻を食い止める最後の抗いであるこの古砦の扉には、知られざる、しかしときにハンター達の酒の肴となる、“痕(きずあと)”がある。
今日はそんな古砦の大扉に刻まれた、士(つわもの)の痕について語りたいと思う。
7-3. 士の痕、夢の跡
ラオシャンロンやシェンガオレンの進攻を食い止める最後の抗いであるこの古砦の扉には、知られざる、しかしときにハンター達の酒の肴となる、“痕(きずあと)”がある。
今日はそんな古砦の大扉に刻まれた、士(つわもの)の痕について語りたいと思う。
7-3. 士の痕、夢の跡
人の身の丈を大きく越えたその扉は、人そのものの出入り口というよりは物資搬入口としての意味合いのほうが強いのだと思われる。しかし<天災級>のモンスターからすればその扉は扉に非ず、周囲の強壁ごと砦を破り抜き、生物としての本能に従い進行を続ける。
それを無理矢理にでも捻じ曲げてしまうのがハンターである。
“痕”は実は目に見えるほど大きなものではない。精々その素材である木材が欠けたり剥がれたりしてしまっているだけである。では何故そのようなささいな劣化が“痕”と呼ばれるのか。
ラオシャンロンは進攻ルート上に障害があると、その巨体での体当たりによる破壊を試みる。それでも簡単に壊れないと悟るや今度は、地殻変動の如く立ち上がり、その全体重を乗せた体当たりを障害物に向かって繰り出す。いくら強固な壁であろうと、これを何度もやられてはそう長くは保たない。
しかし塔のように立ち上がったラオシャンロンのその状態こそ、弱点がさらけ出されるときでもあるのだ。
ガンナーは、高度への攻撃をものともしない。身体の前面が惜しげもなくあらわになるそのときこそ、大量の弾丸を心臓部へ叩き込む最大のチャンスなのだ。だから迎撃を担うガンナーはラオシャンロンが立ち上がったとき、ラオシャンロンの真正面に回りこむ。
そのときにガンナーの背中を支え続けるのが、大扉だ。
この砦とラオシャンロンに挟まれた状況での、ガンナーの心理状態は決して高揚と興奮で胸が満ちているわけではない。あの巨山そのもののような巨体と、石壁とに挟まれているのだ。
ラオシャンロンの攻撃で石壁が崩れるかもしれない。破片が飛んでくるかもしれない。ラオシャンロンが倒れてくるかもしれない。むしろ興奮などより、山と壁の間に介入した自分を心底後悔してもおかしくはない。
仰角をつけるために後退するが、それは本当にそのためだけなのか。
後ずさるも後はなく、若いガンナーはついに扉に背中をつく。
はっとその扉を振り返ると、うっすらとであるが、そこには自分の背中と同じあたりの高さの一部分だけ痛んで見える。
そして若いガンナーは思い出す。いつかどこかで聞いた、この“痕”の伝説を。
-砦の大扉には大昔、老山龍が侵攻してきたときに戦ったガンナーの背中の痕が、今も残っている。それは最後まで砦を守り続けたガンナーの、今なお受け継がれる“英雄の証”である-
やはり、この傷痕の主もラオシャンロンの弱点を直接狙おうと真正面に回りこんでいたのだ。そして後ずさるうちに扉に背をぶつけ、それでも彼は逃げなかった。
更に仰角をつけるため、大扉に背を預け老山龍を最後まで狙い続けたのだ。
そして若いガンナーも震える脚と扉に預けた背中を三点の支えとし、固定する。その領域を守りきる決意を固定する。その若いガンナーがラオシャンロンを倒したのかどうかは定かではないが、その大扉には、ヘビィボウガンの反動が背中を通して扉に伝わった、ガンナーの背中の“痕”が新たに残っていたそうな。
以上が一部のガンナーの間で伝わる、「士の痕」といういわゆる都市伝説の一つである。
普段はモンスター迎撃区画への立ち入りは禁止されているため、その扉を見ることはできないが、もし<天災級>が襲来し、あなたが迎撃戦に参加することになったならば、ぜひ一度その目で確かめて欲しい。
もしその“痕”を見つけることができたならば、あなたの後ろには、ラオシャンロンを退けることに成功した士たちがついているのだから。
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今回はラオ-ヘビィでの最後の立ち回りを都市伝説というカタチで描いてみました。
私自身通常弾主体の取り組みをしていたこともあり、あの扉は思い出の扉でしたので、私なりにストーリーを加えてみました。あのときはラオが降りてきたあと側面まで回るのがキツくてきつくて仕方なかったですが(笑。
史実上ラオシャンロンの侵攻自体は数度しか数えられていないそうですが、私達プレイヤーにはいくつもの書物として迎撃戦の記録が残されています。彼らの思いは書物だけでない、狩場に傷痕として直に残されている。それは『次は任せた』という先達の、後世へのメッセージなのかも知れません。
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09/06/22 追記
双門として大扉に“痕”を刻んだ記録。その迎撃戦後のひと時を相方マーゴが一枚の絵に残してくれました。
素敵すぎてたまらん一枚です(笑!門前とか最高です。
レシオ宅六畳一間の狭っこい壁に額に入れて飾ってます。
ありがとうマーゴ!
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今日はこれにて失礼致します。
またお会いしましょう、このノートの上で。
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この記事にコメントする
>『士の痕』ですか…
いらっしゃいませかみざいさん、どうぞくつろいでくださいね。
少し早いですが、テトラニシンでおソバでも頂きましょうか。
かみざいさんも古砦へ出向かれるのですね。
そちらの大扉にも恐らく刻まれた背中の痕が存在するはず。
あるいはそれがなければ、かみざいさんが後続を引っ張る“痕”を残すことになるのかもしれません。
私も及ばずながら、援護射撃致します。
辛い戦いになるでしょうが、どうか肩の力を抜いて楽しむことを忘れずに・・・とは私が助けられた言葉ですが(爆、私もそう思います。
かみざいさん、がんばれ!
あらもうお帰りですか?またいらしてくださいね。
ありがとうございました!
少し早いですが、テトラニシンでおソバでも頂きましょうか。
かみざいさんも古砦へ出向かれるのですね。
そちらの大扉にも恐らく刻まれた背中の痕が存在するはず。
あるいはそれがなければ、かみざいさんが後続を引っ張る“痕”を残すことになるのかもしれません。
私も及ばずながら、援護射撃致します。
辛い戦いになるでしょうが、どうか肩の力を抜いて楽しむことを忘れずに・・・とは私が助けられた言葉ですが(爆、私もそう思います。
かみざいさん、がんばれ!
あらもうお帰りですか?またいらしてくださいね。
ありがとうございました!
無題
ラオの前面に回るのは、実際中々勇気が必要ですよね。
何度かラオシャンロン迎撃に向かいましたが、攻撃量が足りず、撃退止まりばかりで・・・
次こそは討伐するために、『士の痕』を背に、私の『痕』を刻みに行ってみようと思います
何度かラオシャンロン迎撃に向かいましたが、攻撃量が足りず、撃退止まりばかりで・・・
次こそは討伐するために、『士の痕』を背に、私の『痕』を刻みに行ってみようと思います
>無題(RAY様)
いらっしゃいませRAYさん、どうぞくつろいでくださいねー。
女王エビてんぷらにして頂きましょうかー。
ラオの正面での射撃はラオが下りてくるときが一番の注意点ですよね。
あの大きなアゴ攻撃判定に巻き込まれて血の涙を見たことが幾度あったか・・・(笑。
やはり老師は簡単には倒れてくれませんか・・・。
あの山道はコースによっては非常に長旅となります。必要であれば休息をとり、どうぞ楽しんで討伐を目指してください^^
RAYさんが刻む士の痕を私も楽しみに、またささやかながら応援させて頂きます。
あら、もうお帰りでしょうか?またいつでもいらしてくださいね。
ありがとうございました!
女王エビてんぷらにして頂きましょうかー。
ラオの正面での射撃はラオが下りてくるときが一番の注意点ですよね。
あの大きなアゴ攻撃判定に巻き込まれて血の涙を見たことが幾度あったか・・・(笑。
やはり老師は簡単には倒れてくれませんか・・・。
あの山道はコースによっては非常に長旅となります。必要であれば休息をとり、どうぞ楽しんで討伐を目指してください^^
RAYさんが刻む士の痕を私も楽しみに、またささやかながら応援させて頂きます。
あら、もうお帰りでしょうか?またいつでもいらしてくださいね。
ありがとうございました!
目次
著者
HN:
シュガー
性別:
男性
自己紹介:
新大陸にて狩猟活動中。
狩人の矜持と思い出は十年の時を越える。
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